『名もなき毒』 宮部みゆき
『名もなき毒』 宮部みゆき
同作者の『誰か』で主人公の会社員・杉村が事件を解決していくシリーズの2作目。
1作目の『誰か』は今いちの感想だったけど、これは結構面白い。
このシリーズは、主人公の杉村を通してこの世に存在する「悪」の存在を読者に問いかけると思う。
普通の推理小説ではなく社会的問題を織り交ぜながら読者にも考えてもらうといったような。
主人公の杉村がいる企業の広報室に雇われたアルバイトの原田いずみ。この子が読みながらもイラッとするような困ったちゃん。いや困ったちゃんを通り過ぎて、異常的なほどウソをつく。自分の経歴詐称、家族、生活。(兄の結婚式でみんなの前で突然、自分は小さいころから兄に性的いたずらをされたとか、その他にもいろいろちょっと異常ウソ多数)
そして仕事ができず広報室のみんなをふりまわす。あまりにもひどいので解雇されるんだけど、それからがひどい。解雇されたことを逆恨みして、自分はセクハラされたとか会社に対してクレーマーとなる。
この子のことが中心的な内容かと思いきや違っていて、話の中心は連続毒殺人事件。いったい犯人は誰なのか。ラストはとても悲しい。この不平等な社会、弱者と強者に分けられた弱者側の無言の叫び。
しかし異常なまでの困ったちゃんが、どうしてそのようになっていったのか、真の理由が中途半端に描かれていて、もっと詳しく聞かせて!と思ってしまった。
★★★★
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